ドームの外に出よう!前編 - mediator

Blog ドームの外に出よう!前編

2019年10月23日 (水)

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欧米に留学経験があるタイ人たちとの接点

最近の僕は、これまでとは違った方面の人脈を増やしつつあります。そして、「目からうろこ」の刺激をたくさん受けています。

さて、従来とは違う人間関係とはどのようなものなのか?

もったいぶらずに言ってしまいましょう。欧米への留学経験があるタイ人です。

これまでにも僕は、留学経験のある多くのタイ人と接してきました。社内にも何人もいるし、仕事先にも海外留学をしたことのあるタイ人はたくさんいます。

でも、僕を始め、これまで接点があったのはほとんどが日本への留学組です。だから、僕と似ている点は多数あります。視点とか発想や考え方、思考回路などには似ている点が少なくない。異なる点もたくさんあるけれど、共通点が多いのです。

ところが、欧米留学組との共通点はあまりありません。共通点は同じタイ人であることぐらい?というのは冗談ですが、接しているとハッとさせられることがよくあります。今回はそのお話を聞いてください。

地球規模で全体を俯瞰している

僕は昨年、ジェトロの仕事で日本のスタートアップを支援する仕事を手掛けました。仕事内容は、タイ側とのマッチング。そのため、タイのスタートアップとの接点が急激に増えました。

そこで知り合ったのが、欧米留学組のタイ人です。とくに、米国への留学経験がある何人ものタイ人と知り合い、親睦を深めてきました。

彼ら彼女たちの大半は、留学前にインターナショナルスクールに通っているので、英語に関してはほぼネイティブ。完全に英語を使いこなしています。

価値観も独特です。一言で言うなら、スケールが大きい。もっと言ってしまえば、地球規模(笑)。なんというか、全体を俯瞰しているんですね。

自分たちがタイ人だという自覚が薄いのも共通点です。だからといって、アメリカ人だと思っているわけでもない。タイ人とかアメリカ人とか、そうしたくくりを超越しているといった方が正確かもしれません。

そして自分を客観的に見つめながら、自分はどうあるべきか、仕事とはどうあるべきかをプレゼンする能力も非常に高いです。

世界中から情報を収集しようとする

日本人とタイ人の場合、方法論から入ることが多いと思います。仮説を立てて、形から入ろうとします。でも、欧米留学組のタイ人はそうじゃない。

英語ができるので、大げさではなく世界中から情報を収集し、走りながら効率的な方法を探して実践していく。その姿が非常に新鮮でした。

また、読書量も半端なく多く、それを即座にタイ語でまとめ、You Tubeやポットキャストで発信する力にも長けています。たくさんの方法論を学び、発信のスピードも吸収のスピードも桁違いです。

僕を含めて、これまでの知り合いにはなかった斬新な価値観と行動力。それを支えているスキルの一つのが英語力であることは言うまでもありませんが、それだけはなく、情報に対する姿勢が貪欲なのです。

そうか。僕も彼らに負けないぐらいの情報量を持たないとだめだな。情報に接する努力をしないといけないな。心からそう思いました。

変化を前提にものごとを考えている

タイ人の中には、旧世代のやり方をそのまま踏襲する人、踏襲したい人、新しいことに否定的な人はたくさんいます。そうした人たちについても、欧米留学組は決して否定はしません。共存する方法を見つけようとします。

それも驚きでした。自分と違う価値観、違う行動パターンを前にすると、ネガティブにとらえる人が多い中、否定ではなく共存を追求しようとするんですね。

その一方で、自分たちは「変わらなければならない」という意識が非常に旺盛です。世の中の変化に敏感というよりも、変化を前提にものごとを考えています。

欧米留学組のタイ人と接するなかで、僕はデジタルディスラプションについてもじっくりと考えるようになりました。デジタルディスラプションとは、デジタルテクノロジーの進化によって、既存産業が新しいビジネスに生まれ変わる破壊的なイノベーションが起きる現象を指します。

革新性が強いだけに、従来型の産業を根底から揺るがし、崩壊させてしまう。それがデジタルディスラプションです。産業界では今後、ディスラプション(崩壊)は避けて通れません。必ず直面する事態です。

その中でどう自分たちの立ち位置を考えていくべきなのか。欧米留学組たちと触れる過程で、僕はその問題を突きつけられたように感じました。

mediator のすべて」とは?

このブログは、「日本とタイをつなぐプラットフォームになりたい」その思いのもと mediator を立ち上げた代表のガンタトーンが、過去を振り返り、現在をどう過ごし、未来をどうかたちにしていくのか…今の気持ちを素直に表現したブログです。
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執筆 三田村 蕗子

ビジネス系の雑誌や書籍、Webメディアで活動中のフリーライター。タイをもう一つの拠点として、タイはじめとするASEANの日系企業や起業家への取材も手掛ける。新しい価値を創出するヒト、店、企業の取材が得意技。コロナ禍で絶たれたタイとの接点をどう復元するか模索中。

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