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2017.3.20

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組織に「信頼」をどう作るか|「アジア式組織運営」を考える vol.06

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信頼を作るのは上司の仕事

先日ある企業の担当者からこんな話を聞きました。「あることでスタッフの機嫌を損ねてしまった。その結果、職場で完全に口をきいてくれなくなった。また頼んだ仕事もやってくれない。信頼関係が完全に崩壊してしまった。」という話です。

私がよくコンサルティングのお手伝いをするタイの組織で、最もよく聞く悩みはこの「どうすれば信頼を作れるか」ということかもしれません。ブログ第6回は「信頼」というテーマを取り上げます。

ハーバード・ビジネスレビューの記事「If Employees Don’t Trust You, It’s Up to You to Fix It」によると 経営者の55%は会社の中に信頼がないことを懸念しているそうです。信頼は、企業のコストを下げ、また経営のスピードを上げるものとして重視されています。また、「組織の中に信頼が無い場合、それを修復するのは上司の責任だ」と述べています。

もし仮に夫婦の間に信頼が無いとして、それを修復するかどうかはその夫婦の自由でしょう。しかし企業の場合は、信頼を修復しないことで業績に影響が出て、投資家や取引先にも影響が及びます。「信頼」を取り扱うことは経営者、リーダーの重要な仕事と言えます。それではどんなことが必要なのか。以下に簡潔に4つほど述べておきます。

自己開示する

本連載の第1回ブログでも述べましたが、「人間関係の作り方」には「関係ベース」と「タスクベース」があると、経営学者メイヤーは述べています。私が仕事をするタイをはじめアジアの国々では、「関係ベース」、つまり基本的な人間関係を作ることが信頼関係のベースとなります。

我々は国籍や言語は違っても、同じ人間である以上「共通点」があります。それは家族や友人がいて、また衣食住という人間としての生活を営んでいるということです。そうした事をお互いに伝えあっていくことで、例えば趣味が同じだとか、子供の年齢が同じだとか、そうした共通点が見つかります。特に上司から、自分のそうした「仕事以外の側面」を共有していくことは、上司と部下という仕事上の関係を超えて、基本的な人間関係を作るうえで大切なことです。

弱さを見せる

また、信頼を脳神経学の側面から紹介したこちらの記事「The Neuroscience of Trust」では、「弱さを見せる」ことが信頼関係の秘訣の一つであると述べられています。「信頼性の高い組織では、上司は部下に指示を出すのではなく、助けを求める」傾向にあるそうです。

人間は、「誰かを助けたい」という本能を備えている生き物です。ボランティア活動が人間の心を満たすように、「助ける」という行為は「内発的動機」(Intrinsic Motivation)を高めます。また、部下に「協力してほしい」と依頼することは、「部下は自分にない能力を持っている」と信じる行為とイコールです。そうした依頼の仕方をすることは、自分が部下を信じているというサインを伝え、部下に気持ちよく動いてもらうために有効な手段でしょう。

「ホンネ」で話す

先日あるマネージャーからこんな話を聞きました。

「うちのチームはいつも時間に遅れるチームだった。私はチーム内で遅刻があるたびに彼らを怒っていた。それでも遅刻は直らなかった。ある時、みんなに“今の状況をどう思っているの?”と聞いてみた。そうしたら“マネージャーがいつも怒るので、みんな嫌になっている”と。そこで、“わかった。もう怒るのは辞める。でも遅刻は良くないので、できれば遅れずに来てほしい”と伝えた。そうしたら翌日からみんな遅れずに来るようになった“。」

この話は、「本音で話すこと」の重要性を伝えています。人間は、相手とホンネで話すことが出来た時に、その人への信頼感が芽生えます。しかし我々が仕事をする東南アジアは「ハイ・コンテキスト」、つまり直接的にものを言わない文化です。しばしば、建前やうわべのコミュニケーションが横行します。リーダーの仕事はそうした建前を排して、ホンネのコミュニケーションをつくりだすことであり、そのためには自分からホンネを話すことです。

自分からドアを開ける

最後に。信頼とは相互の関係です。「あいつは自分を信じてくれていない」と感じるとき、それは「自分も相手を信じていない」ということが同時に起こっています。例えば、相手と自分の間に閉ざされたドアがあります。それが開かないのは誰のせいでしょうか?「相手のせいだ」と思っているかもしれませんが、きっと相手も同じことを思っています。信頼のドアが開かないのは自分のせいでもあるのです。

「信頼は“先払い“」だとよく言われます。相手のことを自ら信じる態度・行動を見せると、相手はそれに対して信頼を返してくれます。相手から自分を信じてほしい、という態度ではいつまでたっても信頼関係は構築されません。

あなたは「先にドアを開ける人」になりますか?それとも「相手がドアを開けてくれるのを待つ人」になりますか?

こうしたことを自分自身に問いかけながら、組織に信頼を作り出せる良いリーダーになっていきたいものです。

บทความภาษาไทย

「アジア式組織運営」を考える ~日タイ混成チームで仕事をして見えてきたもの~とは?

このブログは、タイで仕事をする日本人、これからタイに進出することに興味のある日系企業、またタイにおいて日本や日本人と何かしらかかわって仕事をしているタイ人…様々な方に向けて、人事コンサルタントとしての知見と経験を使って発信をしています。大切な友人である日本人とタイ人がより良い関係になるように、また私自身が自分のチームメンバーをちゃんと幸せにできることを目指して、日本語とタイ語の両方で発信していくことにチャレンジします。(関連記事はこちら)(タイ語版はこちら)
中村 勝裕:上智大学卒業後、2001年ネスレ日本株式会社に入社。2005年株式会社リンクアンドモチベーションに転職し、人材育成、組織変革のプロジェクトを担当。2010年、株式会社グロービスに転職し、シンガポールへ赴任。東南アジアでの人材開発プロジェクトを手掛ける。2014年、東南アジア発の組織人事コンサルティング会社として、Asian Identity を設立し、同社代表に就任。現在バンコクを起点として、東南アジアの企業に対して、人材採用・人材育成・組織風土・人事評価、といった領域でのサービスを提供している。

Asian Identity Co., Ltd.
URL : http://asian-identity.com/
FB : www.facebook.com/asian.identity
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