m-trip「満たせ、タイ人の胃袋!おとなの食品加工工場見学!Globo Foods」 - mediator

Blog m-trip「満たせ、タイ人の胃袋!おとなの食品加工工場見学!Globo Foods」

2016年12月15日 (木)

販路開拓・進出
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2016年8月11日。タイのローカル企業を訪問するmediator主催の人気企画m-trip「満たせ、タイ人の胃袋!おとなの食品加工工場見学!」が開催されました。米麺のメーカーCho Heng Rice Vermicelli社に続いて訪問したのは、調味料メーカーのGlobo Foods社です。参加者がそこで目にしたものは、日本でもおなじみのあの商品の現場でした。

自在にレシピを開発し、形にしていく開発力

スーパーマーケットの調味料売り場で、「LOBO」のロゴがついた製品を目にしたことはありませんか? あの製品の作り手こそ、Globo Foods社です。

グリーンカレーペースト、トムヤムクンペースト、パッタイの素など幅広い商品群を持つ同社の設立は1974年。マネージングダイレクターのAKOM PALANUWECHさんは言います。

「もともとはアメリカの会社との合弁からスタートしましたが、1995年に株を買い取りました。翌年に社名を変更し、現在に至ります。現在、調味料市場でのシェアは35%。一般消費者用の「LOBO」のほか、チェーンレストラン向けの調味料の製造販売を手掛け、世界中のマーケットに製品を輸出しています」

午前中に見学したCholeng Rice Vermicelli社同様、世界に輸出するために国際標準規格の取得には余念がありません。GMP(日本健康食品規格協会の規格)、ISO9001、BRC FOOD(英国小売協会の規格)、HACCP…。食品工場専用の規格も取得している同社はまた、タイ発の自社ブランドが対象となるプライムミニスターアワード、タイ・セレクト、タイ国政府貿易センターから認定されるタイ・セレクト等など、たくさんのアワードも獲得しています。

業務用の卸先も有名どころばかりです。

誰もが知るあのファーストフードチェーン、人気レストランチェーン、お弁当チェーン、タイ大手のコーヒーチェーン。名前があがるたびに、ツアー参加メンバーは「え、あそこも!」と驚きの声をあげていました。日本の大手食品メーカーの冷凍食品に使用されている調味料も同社が生産しているそうです。

日本で人気のある某ショップのタイ風レトルトカレーも実はGlobo Foods社が手掛けているとのこと。相手先の要望に合わせて、自在にレシピを開発し、形にしていく同社の開発技術と製造技術の高さには驚嘆するしかありません。

原料の段階から安全性を確保

工場はサムットプラカーンとスパンブリーの2箇所にあり、今回は前者の工場におじゃましました。2万平方メートルもの敷地に建てられた工場の生産量は年間1万2000トン。1万5000平方メートルの土地に建てられたスパンブリーの工場では年間1万トンを生産しています。

数字を聞いても今ひとつピンと来ないツアー参加者でしたが、工場見学をすると、その規模の大きさに誰もが圧倒されました。

空腹を刺激するインパクトのある調味料の匂いに包まれた工場では、さまざまな製品が現在進行形で生産されていました。大手ファーストフードチェーンの製品を作るためだけの巨大な釜や生産ライン。ドライブレンディング(調味料をブレンドする機械)を小分けする30台もの機械、ソースをパッキングする生産ライン、ボトリングのライン。多彩なラインナップを可能とする工場の規模の大きさが実感として理解できました。

PALANUWECHさんは言います。

「LOBOの一番の特徴は、ラインナップが豊富なことですね。これは他者との差別化点。全部で120アイテム揃っています。できるだけタイの伝統の味に近づけている点も持ち味です。原料の安全性にも自信があります。ターメリックやレモングラス、ジンジャーやコブミカンの葉などの材料は、農家から仕入れるほかに一部私たちでも栽培していますが、GAPという安全基準に基づき、農家には栽培方法について具体的に指導をしているんですよ」

原料の段階から安全性を確保しているからこそ、安全性に対する力強い言葉には説得力があります。Globo Foods社が世界中の大手企業からオファーが絶えない理由はここにあります。

要求水準の高い日本企業

日本の消費者は世界一うるさいと言われます。この消費者に対応するために、日本の企業も品質管理を厳しく行わざるを得ません。Globo Foods社は日本企業の要望をどう受け止めているのでしょうか。

PALANUWECHさんは答えます。

「そうですね…。日本の会社は要求水準がとても高いですね(笑)。例えば、透明の袋に入った調味料は一点一点、目視で異物混入がないかどうか厳しくチェックしています。これをしているのは対日本企業向けだけ。ただ、いったん信頼関係を築くと長くお取引していただける。それはとてもありがたいですね」

聞けば、「◯◯のような味を再現して欲しい」というリクエストにも、同社はかなり正確に応えられるそうです。もちろん、手に入る材料の有無や味・品質を考慮しなければなりませんが、いま日本ではカップ麺にスナック菓子、レトルト食品等など、タイ料理フレーバーの食品が続々と登場しています。今後、Globo Foods社が日本企業と連携する機会はますます増えていく。そんな予感がしました。

2つの食品会社を見学した参加者の率直な感想は、「タイの企業、すごいよ」。安心・安全を確保した上で近代的に効率的に操業されている工場と高い商品開発力。そして、海外進出への積極性も心に強く残りました。タイの食を世界に広め、世界の食に貢献していきたいーー。そんな気概を感じたm-tripでした。

1つ目の訪問企業 Cho Heng Rice Vermicelli社へ戻る →

三田村 蕗子(ライター):日本のビジネス誌、流通専門誌、ビジネス書を中心に活動するフリーライター。2014年11月、拠点をバンコクに移し日本とタイを行き来する。鋭い視点で、活気づくタイとASEANのビジネス事情を取材している。
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執筆 三田村 蕗子

ビジネス系の雑誌や書籍、Webメディアで活動中のフリーライター。タイをもう一つの拠点として、タイはじめとするASEANの日系企業や起業家への取材も手掛ける。新しい価値を創出するヒト、店、企業の取材が得意技。コロナ禍で絶たれたタイとの接点をどう復元するか模索中。

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